よりたくさんのご利益を享受
金刀比羅宮(香川県)と由加神社本宮(岡山県)の両社を参る「こんぴら・由加両参り」。「一生に一度はこんぴら参り」といわれていた金刀比羅宮に参詣するだけでなく、途中で厄除け総本山として知られている由加神社本宮にも訪れる参り方で、よりたくさんのご利益を享受することができるとされています。
盛んに行われていた両参り
江戸時代から明治時代まで盛んに行われていたこの両参り、交通の便が悪かった当時は庶民の憧れでした。自ら参詣することができない場合には代参を依頼する人もいたほどで、中でも有名なのが「森の石松」や「こんぴら狗」で知られる代参犬です。
また、東海道中膝栗毛の作者「十返舎一九」や江戸時代の豪商「塩原太助」なども両参りを行ったという記録が残されています。
一年間の無病息災を祈念
現在でも金刀比羅宮と由加神社本宮の交流は続いており、毎年文化の日には両社の神火を使って由加神社で「由加山火渡り大祭」が行われます。祭りは点火した大護摩壇(だいごまだん)に願い木である護摩木を投げ入れ、くすぶり続ける火の中を裸足で渡る「火渡り荒行」が行われることで有名。一年間の無病息災を祈念します。
瀬戸大橋が開通して交通の便が格段に良くなった今では、両社の片道は車で約90分。気軽に両参りができるようになりました。道中は香川県と岡山県の温泉や食を愉しみながら、たくさんのご利益を授かりに両参りをしてみてはいかがでしょうか。